MENU

INNOVATION IS GREAT
FacebookTwitterGoogleLinkedIn
Feed
英国進出、輸入や研究連携へのお問い合わせ
Mail

CONTENTS

HOME > BLOG > 「複合材料立国」を目指す英国 自動車産業が事業機会の拡大を牽引

「複合材料立国」を目指す英国 自動車産業が事業機会の拡大を牽引

  • 19 May 2016
  • Feed

環境問題への対応が急務となり、自動車の軽量化が加速している。複合材料の積極的な活用は、軽量化実現のコア技術である。ひときわ厳しい環境規制が導入される欧州市場の中で、英国政府は、複合材料関連産業の育成に注力している。国内の研究機関、大学、そして企業が連携し、基礎技術の研究から応用技術開発、サプライチェーンの構築、生産ラインへの実装まで、一貫した支援体制を整備。複合材料とその活用に関わる製品やサービスを供給する企業の事業機会が、急拡大している。

 

次世代の自動車を造る上で、車体や部品に軽量化をもたらす複合材料の活用が必須になった。これまでの金属材料ベースのサプライチェーンを、複合材料ベースへと変えていくことは、自動車産業の競争力向上に直結する重要な施策となる。

 

英国には複合材料育成の素地がある

複合材料の技術開発と関連産業の事業化でリードするためには、先進的なニーズと技術を持ったユーザー企業、そして多角的な見地から開発・製造を支える体制が欠かせない。複合材料の活用には、最適な設計法や加工法の開発・選定が必須になるからだ。英国には、ユーザー企業の先進性と政府がリードする支援体制の両面で、複合材料関連産業の育成条件がそろっている。

 

意外に感じるかもしれないが、英国の自動車産業は成長し続けており、サプライチェーンの整備が後を追っている状況だ。英国の自動車生産台数は2014年に160万台に達し、乗用車ではフランスを抜いた。英国製自動車の80%以上は輸出され、生産台数成長率は西欧最大の11%で、輸出総額は約250億ポンド(約3兆9250億円)に上る。しかも、F1のチームや高級車、スポーツカーのメーカーが数多くあり、最先端の複合材料ニーズと使いこなしの技術がある。

 

英国における応用分野ごとの複合材料関連市場の予測

また、複合材料の自動車以外の応用市場に目を転じると、Airbus社とBoeing社での需要が増加している航空宇宙産業や防衛、海運などの産業でも、その応用が広がっている。現在の英国の複合材料市場は約23億ポンド(約3600 億円)であり、2020年には約2倍、2030年には約5倍に成長する見込みである。

 

 

 

 

研究から実用化まで一貫支援

英国政府は、大学や産業界を巻き込んで、複合材料関連産業の育成戦略を推し進めている。同国政府は、産業分野を超えた複合材料関連事業の育成を目指して「UK Composites Strategy」と呼ぶ戦略を2009年に公表。戦略の策定と実施を主導する機関「Composites Leadership Forum(CLF)」を同時に設立した。ここでは、産官学の足並みをそろえた産業育成策を実践し、技術開発だけではなく、人材育成、サプライチェーンの構築に力を注いでいる。2016年には戦略を一新し、その規模と適用領域を広げる計画である。

 

さらに、自動車産業で複合材料を活用していくため、英国の大学が連携して進める基礎研究から、応用市場での課題の抽出と解決方法の探究、そして技術移管まで、一貫して支援する体制が整備されている。その支援対象として、日本をはじめとする海外の企業にも門戸を開いている。

 

先進技術を利用したい企業と、専門技術を持つ研究コミュニティを橋渡しする役割を担っているのが、英国内の研究機関ネットワークである「Catapult」である。複合材料関連では7つの研究機関を結んだ「High Value Manufacturing Catapult(HVMC)」が担当し、「National Composite Centre(NCC)」が具体的な支援活動を主導している。NCCには160人を超える複合材料の設計・製造・素材の専門家が常駐。技術研究、設計とシミュレーション、試作、工程の分析と最適化、高速製造、テスト・検査・検証など、複合材料を使った製品の開発や生産を様々な側面から支援している。

 

技術を磨く場として、競争力の高い事業を育成する場として、自動車産業や複合材料関連産業の企業にとって、英国は見逃せない国になった。

 

英国自動車産業・複合材料市場に関するお問い合わせはこちらから。

 

本記事は下記雑誌より転載:
「複合材料立国」を目指す英国 自動車産業が事業機会の拡大を牽引
日経Automotive 2016年5月号

MENU