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イノベーティブな英国 1/2 — 最先端技術を製品サービスに積極応用

  • 25 February 2016
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英国というと、テレビドラマのダウントン・アビー、映画のハリーポッターやシェイクスピアの戯曲など、伝統的で古典的なイメージを抱かれがちです。しかし一方で、英国は科学や技術分野でも極めて先進的なテクノロジーを持ち、それらを日夜進化させ続けているイノベーティブな国でもあるのです。今回はそんなイノベーティブな英国の一端を映像で紹介しましょう。

 

F1から始まった高度な技術を様々な分野で展開、マクラーレン・アプライド・テクノロジーズ

 

 

英国は現在も、F1から陸上速度記録挑戦まで、あらゆるモータースポーツ分野で積極的にイノベーションを推進し、勝利を収めています。その代表的なチームとしてマクラーレンのF1チームがよく知られています。

 

マクラーレンは、F1の開発競争で優位を保つために、1989年に先端技術開発を担当する専門企業を設立。開発部門を別に備えて、先端的な技術を開発させるというのは、他チームでは見られない新たなやり方でした。そしてそこから生まれた先端技術とノウハウを生かして、マクラーレンはトップをひた走ってきました。この先進技術部門企業が、今回映像取材できた

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズです。

 

マクラーレンのECU(エンジン制御ユニット)

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズは当初、レースの技術開発を得意とし、その技術成果であるECU(エンジン制御ユニット)、各種センサー、データロガー、オルタネーター(発電器)などは、F1のみならず、米国のインディカー、NASCARなど主要なレースやレースチーム、自動車メーカーにも採用されています。

 

 

さらにマクラーレン・アプライド・テクノロジーズでは、新たなプロダクトやサービスを様々な分野にも提供しています。

 

医療と健康分野では、英国のGSK社とパートナーシップを締結。バイオテレメトリーという患者のデータをリアルタイムで送れるシステムによって、GSKの科学者たちはより的確な臨床試験が可能となり、より早く新薬が製品化されるようになっています。これにはF1レースでの1台あたり200個以上のセンサーから得られる10億個以上のデータを転送・解析処理技術が活かされています。また、GSK社は歯磨き粉の製造でも知られています。その製造ラインでは、異なる種類の歯磨き粉を製造していますが、その転換作業時間を短縮して製造効率を向上するのにもマクラーレン・アプライド・テクノロジーズがF1のピットストップ作業の効率化で得たノウハウが活かされています。

 

スポーツの分野では上記のGSK社と共に、ラグビー・フットボール・ユニオン、チェルシー・フットボール・クラブ、英国オリンピック選手団ともパートナーです。2012年のロンドンオリンピックでは英国選手団が65個のメダルを獲得し、その内の半数を得た選手団のトレーニングなどにマクラーレン・アプライド・テクノロジーズが関わっていました。自転車のトラック競技ではGPSの電波が届かない屋内での競技会場に合わせ、GPSに頼らないポジショニングシステムを開発し、得られたデータは選手のトレーニングと成績向上に役立てられました。冬季オリンピックでもそり競技などでの空気力学によるタイム向上などで同社の技術が活かされています。

 

自転車競技でもマクラーレン・アプライド・テクノロジーズの技術を用いて、プロ選手用の軽量なフレームや空気力学性能に優れたヘルメットが開発されています。

 

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズが開発中のウェアラブル機器

こうした医療と健康分野での経験とノウハウを活かして、マクラーレン・アプライド・テクノロジーズでは、より正確で、より長時間、より長距離の移動にも対応できるウェアラブル機器も開発中で、テクノロジーによって健康増進を図ることにも携わっています。

 

 

 

この他、マクラーレン・アプライド・テクノロジーズは、金融やエネルギー産業など多岐に渡る部門にも進出し、会計監査法人であるKPMG社の会計分析システムも担当しています。

 

新たな技術に積極的に取り組む企業であるマクラーレン・アプライド・テクノロジーズは、成長が期待される企業となっています。新しい技術に積極的にいち早く挑み、それを応用し、より良く新しい製品とサービスに結実させるのも英国ならではです。

 

今回は、このマクラーレン・アプライド・テクノロジーズのほぼ全貌を映像取材しています。

 

最先端のブリテッシュ・ライトウェイト・スポーツカー、ゼノスE10

 

 

英国にはスポーツカーメーカーが多く、なかでもブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツという代表的なジャンルは世界中で愛されています。それは、軽量で高い操縦性能を実現することで、コーナーをより速く、俊敏に駆け抜けるというもので、その性能を実現するために先進的なテクノロジーを積極的に応用しているのです。

 

そのブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツに新たなメーカーと車両が加わりました。それが、ゼノスカーズのゼノスE10です。

 

ゼノスE10に採用されているリサイクルカーボンファイバー

このゼノスE10は、リサイクルカーボンファイバーを採用したカーボンファイバー複合材料の車体となっています。リサイクルしたカーボンファイバー材を使っても、新品のカーボンファイバー材を使ったのとほぼ同等の高い強度・剛性と軽さを保持しながら、新品のカーボンファイバー材の10分の1のコストで実現しています。これまでカーボンファイバーにとって、使用後にゴミとなった時の処理が大きな技術課題でした。E10はリサイクル技術を確立するという、大きなイノベーションを実現しているのです。

 

このゼノスE10のリサイクルカーボンを利用した複合材は、中央にポリプロピレン製のチューブを並べたコア材を挟むサンドイッチ構造にしています。コア材を挟んで厚みを増すことで、段ボールのようにより軽くて丈夫な構造になるからです。この中央のチューブ部材は、開発段階でファストフード店のストローを並べて接着したところ、安価で良好な性能を示したことから、同じ材質を使い、このサンドイッチ構造を再現しています。これによって、従来のアラミド材やアルミ材よりも安価で入手しやすいコア材を利用したカーボンファイバー複合材料も実現できています。

 

軽量ということは、スポーツカーに求められる優れた運動性に寄与するだけでなく、より小排気量のエンジンで済むことにもなり、環境負荷と性能の両立とコスト(価格)面でも、ゼノスは将来の自動車にとっても大きな技術的進歩を遂げています。

 

ゼノスカーズのジョン・ピークヴォウトとマット・ウィンドル

今回の取材では、ゼノスカーズの本社を訪ね、今年から日本で販売開始予定のゼノスE10シリーズの製造工程から走行までをいち早く映像収録しました。また、2人の開発担当者がゼノスE10の開発の経緯と特長を詳しく紹介しています。

 

 

 

「面白いことができそうだ」という思いから、高性能なスポーツカーを先進的な技術と設計で実現する。これも英国ならではで、これもまたイノベーションを育む揺りかごとなってきました。ゼノスE10の操縦席は、ドライバーの体格と姿勢にぴったり合わせて造るようになっていますが、ここには英国の高級服や靴に見られる仕立て(Bespoke)のクラフツマンシップも活きています。

 

ゼノスには、英国のイノベーティブな姿勢と共に、英国ならではの軽量で俊敏なスポーツカーの伝統とクラフツマンシップの伝統が高次元で同居しているのです。

 

1回目の映像公開はここまでです。歴史、伝統、伝説といったイメージとはまた別の英国の姿を垣間見ていただけたと思います。英国は最先端の科学やテクノロジーを積極的に追及する、とてもイノベーティブな国でもあるのです。

 

2回目の映像公開でも、さらに英国のイノベーティブで最先端を行こうとする一面をご覧いただけるでしょう。どうぞお楽しみに。

 

小倉茂徳

小倉 茂徳(Shigenori Ogura)
モータースポーツや乗り物の技術を主に扱うジャーナリスト/コメンテーター。
SAE(Society of Automotive Engineers)会員。渡英経験多数。

 

 

 


 

本記事で取り上げたイノベーティブな企業は、下記の動画でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

『Mr. UKが行く英国イノベーションの旅』
フルバージョン:https://youtu.be/Cf9J3fMlDrE
ダイジェスト:https://youtu.be/cXyDWNYjGDk

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