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精密医療に向けて飛躍するフェノム研究の最前線

  • 17 November 2016
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駐日英国大使館では、サイエンスとビジネスの日英二国間の協力の促進とパートナーシップ強化に向けて様々な活動を行っています。2015年からは、英国のイノベーションを広く日本のみなさまに知っていただくため、数々のキャンペーンを実施しています。その一環として革新的な英国のヘルスケアやライフサイエンスの研究を取り上げ、ご紹介する機会を提供しています。

 

「日英クリニカル・トランスレーショナル・リサーチ シンポジウム 2016:精密医療にむけた英国のメタボリック・フェノタイピングから学ぶ」の様子

このほど、当館は英インペリアル・カレッジ・ロンドンと共催で「日英クリニカル・トランスレーショナル・リサーチ シンポジウム 2016:精密医療に向けた英国のメタボリック・フェノタイピングから学ぶ」と題して、日英の研究機関の第一線で活躍する研究者を集めイベントを開催しました。

 

 

 

 

今や世界をリードする科学者、コアな技術を有する企業や一国の科学技術政策を担う政府関係者が、長年にわたるゲノム解析の進歩に続いてフェノミクスの革命的インパクトと、その潜在能力に気がつき始めています。ゲノミクスと医療の研究の両輪を形成するフェノミクスをどのような戦略で進めて行くべきか、世界の動向から日本が学ぶべきポイントをテーマにシンポジウムを催しました。

 

インペリアル・カレッジ・ロンドン ナショナル・フェノム研究センター長 ジェレミー・ニコルソン教授

従来のゲノム解析では、我々を取り巻く複雑な環境が健康状態にいかにインパクトを与え、心臓疾患、癌、糖尿病、アルツハイマー病といった疾患に与える影響を明らかにするにはまだ不十分であり、それを補完する重要な役割をフェノミクスの研究が担っているとされています。英国は、世界でもいち早くフェノム研究の重要性を認識し、インペリアル・カレッジ・ロンドン内に英ナショナル・フェノム研究センターを立ち上げました。同センター長、インペリアル・カレッジ・ロンドンのジェレミー・ニコルソン教授は、現在日本を含む世界数カ国の中核研究機関を束ねる新しい国際連携の枠組みを構築するべく活動を行っています。

 

今回のシンポジウムでは、まずニコルソン教授よりフェノミックスについて、特にマイクロバイオームを中心としたプレシジョンメディシンへの応用の可能性、またインペリアル・カレッジ・ロンドンの国際連携の取り組みに賛同する、オーストラリア国内のフェノム研究の拠点であるマードック大学のロバート・トレンゴーブ教授より、代謝物質の物理化学的研究の探索が紹介されました。日本の研究機関からは、理化学研究所のシドニア・ファガラサン先生の腸内細菌の代謝・免疫研究、東北大学大学院の青木淳賢教授の脂質機能の包括的研究、また、上記とやや異なる視点から、メタボロミクスをコアコンピタンスするバイオテクノロジー実用性の評価手法・技術開発に取り組む大阪大学 生物工学研究科の福崎英一郎教授による成果が発表されました。

 

シンポジウムには、産学官から80人ほどの参加者があり、同フェノム研究が、分子生物学、代謝免疫学、生物工学といった学際的な研究の融合と発展が不可欠であること、さらに、遺伝子解析や代謝分析などの技術の発展が、精密医療への新たな道を開き、新しい診断ツール、薬品の効果や安全性の早期段階での確定と治療への対処の仕方に繋がることが示唆されました。

 

英ナショナル・フェノム研究センターは、2012年ロンドンオリンピックの際にドーピングテストを実施する施設を同分野の研究に活用・応用したオリンピックレガシーの好例であり、そうした観点からもオリンピックを数年後に控えた日本において同様の大型の最先端施設が設立されることに大きな期待が寄せられます。急速に深化する高齢化社会において、私たちが直面している課題、限られた技術と資源を有効に活用するためにもフェノム研究の発展が期待されています。今後英国が目指す国際連携をさらに進化、発展させるためには、国境を越えた専門家による手法やアプローチの標準化やハーモナイゼーションも重要となってくるほか、臨床の場へのデータの視覚化といった問題を解決する必要もあるでしょう。

 

駐日英国大使館 科学技術部
上席科学担当官 妙見 由美子

 


 

駐日英国大使館・総領事館 科学技術部(SIN Japan):
SIN Japanは、世界28カ国に展開する英国政府のScience and Innovation Network(SIN:科学イノベーションネットワーク)の日本オフィスです。科学やイノベーションの重要テーマに係わる最良の政策ソリューションの導入、新規の日英共同研究開発や、企業または資金援助機関からの助成金獲得、貿易・投資機会の創出など、多方面から日英連携をサポートしています。

英国の研究者との連携、イノベーション・パートナーシップにご関心をお持ちの方、またSIN Japanの活動に関するご質問やご提案などがございましたら、こちらまでご連絡ください。

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