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ESOF 2016をホストするマンチェスター

  • 09 June 2016
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スポーツと音楽の街!?
ESOF 2016 in Manchester

2年に1度、欧州主要都市で開催されるサイエンスフォーラム「ESOF 2016 (ユーロサイエンス・オープン・フォーラム:イーソフ)」が、2016年7月23日(土)から27日(水)にかけて、英国で初めて開催されます。ホスト都市はマンチェスターです。

 

 

多くのみなさんは、マンチェスターといえばプレミアリーグに所属するサッカークラブ、マンチェスター・ユナイテッドFCとマンチェスター・シティーFCを想像するのではないでしょうか。音楽好きな人は、オアシス、ハッピー・マンデーズ、ザ・スミス、ザ・ストーン・ローゼズなどを思い浮かべるかもしれません。

 

しかし、歴史を紐解いてみると、マンチェスターはずっと以前から科学で世界をリードしてきたことがわかります。今回は、ESOFをホストするマンチェスターについて、科学の側面からご紹介します。

 

コットンの都市として
マンチェスターは産業革命発祥の地として、18世紀半ばから19世紀にかけて文字通り世界に"革命"を起こしました。ジェニー紡績機などの織機・紡績機の発明により、製糸から織布までの工程はどんどん機械化・高速化し、綿織物工業の中心地として一気に発達した結果、"コットノポリス(cottonopolis)"と呼ばれるようになりました。また、マンチェスターの雨が多い気候も、湿気が少ない環境では切れやすい綿織物の生産を後押ししました。

 

1830年には、リバプール–マンチェスター間で駅舎と鉄道が開通し、世界で初めて旅客と貨物の両方を乗せた蒸気機関車が登場。世界から港町リバプールを経由し、綿や石炭などの原材料をマンチェスターにより早く大量に輸送することができるようになり、マンチェスターで作られた工業製品をリバプールから世界へ輸出することが可能になりました。工業製品の生産性の向上とインフラの整備、工業化から生まれた様々な技術のスピンオフにより、マンチェスターは急速に発展し、19世紀に英国は、工業製品を世界中に供給する"世界の工場"と呼ばれるまでになりました。

 

鉄道技術の発展は、産業革命の集大成であり、瞬く間に人々の生活や経済にインパクトをもたらしました。その後、英国だけではなく、他のヨーロッパ諸国へその動きが波及していきました。この頃、労働者の娯楽であったサッカーも港町を経由して世界中に伝わっていきました。今も多くの強豪クラブチームが港町にあるのは、当時の名残なのかもしれません。

 

基礎科学から応用研究まで
20世紀に入ると、マンチェスターは科学技術の分野でも数多くの発明に貢献しています。

 

放電管を使用した陰極線の実験により電子を発見したジョゼフ・ジョン・トムソン(1906年ノーベル物理学賞)、原子核の発見などで核物理学の父と呼ばれるアーネスト・ラザフォード(1908年ノーベル化学賞)、ボーアの原子模型で有名なニールス・ボーア(1922年ノーベル物理学賞)、中性子を発見したジェームズ・チャドウィック(1935年ノーベル物理学賞)、アルカノイドの研究など有機化学のメカニズムの解明や発展に寄与したロバート・ロビンソン(1947年ノーベル化学賞)など、現代科学の礎となる発見がこのマンチェスターから数多く生まれています。

 

電子、原子核、中性子、原子模型と言葉を並べただけでも、当時の発見がいかに基礎科学の発展に貢献してきたかがわかります。それらの発見だけではなく、原子説や先天色覚異常を発見したジョン・ダルトン、エネルギー保存則やジュールの法則を発見したジェームズ・ジュールもマンチェスターにゆかりの深い科学者としてストリートの名前や彫像として残り、今も市民から愛されています。数学者でありコンピュータサイエンスの父と呼ばれるアラン・チューリングも、マンチェスターで世界初のプログラム内蔵式コンピュータを開発しました。マンチェスター大学には、アラン・チューリング・ビルディングとして名を冠した建物があり、街には名前のついた橋や道路のほか、サックビル・パークにはリンゴを手に持ちベンチに佇む彼の銅像が設置されています。

 

現在までにマンチェスター大学は25人ものノーベル賞受賞者を輩出し、現役で4人が教鞭をとるなど、世界トップレベルの研究が進められています。
※参考:マンチェスター大学におけるノーベル賞受賞者の紹介(英語)

 

グラフェン

グラフェン

なかでも、2010年にノーベル物理学賞を受賞したアンドレ・ガイムとコンスタンチン・ノボセロフによるグラフェンの研究は、今後、様々な分野で飛躍的な進化をもたらすことが期待されています。グラフェンの研究についての詳しい内容は、次回の記事でお届けします。

 

 

 

 

マンチェスターは基礎研究から応用研究まで、産学官が一体となってイノベーションを促進し、2020年までに"Commercial Science and Technology City"になることを目指しています。

 

古今東西マンチェスター
マンチェスターの夜景

ジョン・ダルトン生誕250周年となる2016年、"Science as Revolution: from Cottonopolis to Graphene City"をテーマにしたESOFには、世界中から科学者らが集い、バイオ、医療、宇宙、材料、環境、科学政策、市民対話など、幅広い分野のセッションが開かれます。日本からも、大学・研究機関、企業からセッションスピーカーが登壇し、最先端の研究を紹介予定です。

 

 

ESOFにお越しの際には、今も町並みに残る産業革命時代に造られた倉庫(ウェアハウス)や綿紡績工場(ミル)の外観や展示物を楽しみながら、科学技術で新しい時代を切り拓こうとするマンチェスターの"今"を感じることができるでしょう。

 

日本科学未来館/ESOF 2016 Delivery Team
谷村 優太(Yuta Tanimura)

日本科学未来館/ESOF 2016 Delivery Team 谷村 優太(Yuta Tanimura)

 

 

 

 

 


 

「ESOF 2016」の詳細は、イベントページでご確認ください。

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