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オックスフォード大学のイノベーション創出に向けた取り組み

  • 03 December 2015
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オックスフォード大学 ハミルトン教授の講演会

 

2015年11月13日(金)、英国オックスフォード大学総長のアンドリュー・ハミルトン教授による講演会「イノベーション創出における大学の役割~オックスフォードの事例に学ぶ」が開催されました。

 

12世紀頃に創立された英語圏で最も古い大学であるオックスフォード大学は、これまでに26名の英国首相、51名のノーベル賞受賞者、加えて158名のオリンピックメダリストを輩出しており、その歴史と伝統、実績によって、日本においても最も高い知名度を誇る大学の一つです。現在の同大学総長であるハミルトン教授はこれまでに何度も来日しており、直近では2015年2月の「Innovation is GREAT~英国と創る未来~」キャンペーンの開幕イベントにも参加しましたが、関西での講演は今回が初めてです。約40分間の講演会の中で、ハミルトン教授は、主に関西地区から集まった大学・企業・政府関係者を対象に、イノベーション創出に向けて同大学がどのように取り組んでいるのか、また、その成功のカギはどこにあるのかについて、事例を交えながら一時間ほど話しました。

 

オックスフォード大学においてイノベーション創出で重要なことは、大学で行われた研究をスムーズに商業化に結びつけるための技術移転・インキュベーションの仕組みです。同大学には、例えば、「Isis Innovation」という技術移転やコンサルテーションに特化した機関が大学からの出資によって運営されています。そのような機関を持つことは大学にとってもちろん重要ですが、ハミルトン教授が強調したのは、地域が果たす役割です。つまり、オックスフォード大学からの研究をイノベーションに結び付けていく上で、オックスフォード市や、オックスフォードシャー州との連携が欠かせません。具体的には、同大学において生み出されたある研究が、スピンアウトとしてインキュベータを通じて起業につながる時、立ち上がった企業が同じくオックスフォード市やオックスフォードシャー州のサイエンスパークのような場所に留まることで、大学と企業、また、企業と地域の関係性が保持されます。これにより、そのスピンアウトからの利益が地域の利益に貢献することができ、さらに地域はスピンアウトに対して積極的な支援を行うことができるようになります。こうした地域を中心としたイノベーション創出の形は、シリコンバレー、マサチューセッツ工科大学、ボストンのルート128、スタンフォード、シンガポールなどの成功事例においても共通しています。

 

このように大学からの研究成果を技術転移・商業化してイノベーションにつなげる仕組みを持つことにより、オックスフォード大学は世界中からトップレベルの研究者や学生を引き寄せることができています。例えば、「Times Higher Education World University Rankings 2015-2016(英語)」の発表においては総合で第2位(Clinical、Pre-clinicalとHealthの分野では第1位)に輝いたように、同大学は世界の教育・研究をリードする地位を堅持していますが、その背景には、こうしたイノベーション創出に適した立地環境の存在があります。また同時に、大学が地域経済やイノベーションに対して深くコミットすることが、大学で行われる研究や教育に対してこれまでにはない新しい研究課題やチャレンジを提供することにもつながっています。それが大学での学術活動に対する良い刺激となり、より豊かな学術成果が生み出されます。

 

ハミルトン教授は、オックスフォードという土地で起こっている「正の循環」(Virtuous Cycle)に何度も言及しました。これは、オックスフォードという土地と環境が、大学からの学術成果を商業化・イノベーションにつなげていくための仕組みを充実させることにより、才能を持つ優れた研究者がオックスフォード大学に集まり、また、新しい研究課題を大学に提供することにより、大学での学術活動のレベルが上がり、それがさらなるイノベーションにつながっていくことを意味します。最近、様々な場面で「イノベーションエコシステム」という言葉を耳にしますが、オックスフォードではまさにそのような持続可能なイノベーションの仕組みをフル活用し、たくさんのイノベーションが生み出されています。

 

英国総領事館 科学技術イノベーション部
副部長 パトリック・バニスター

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