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日英におけるグローバルヘルス施策についてのセミナー開催レポート

  • 15 June 2017
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2017年5月10日(水)、駐日英国大使館 大使公邸にて、グローバルヘルスをテーマにしたセミナーが開催されました。世界各国が抱える公衆衛生問題は、感染症や薬剤耐性菌、栄養、運動、精神衛生、老化など実に多岐にわたっており、先進国が解決に向けたイニシアティブをとることが求められています。英国からは公衆衛生庁CEOのダンカン・セルビー氏が、日本側からは前参議院議員でハーバード大学公衆衛生大学院リサーチ・フェローなどを務める武見敬三氏が登壇し、現状や課題、展望について話をしました。

 

日英におけるグローバルヘルス施策についてのセミナー開催レポート

 

英国大使館 臨時代理大使のデイヴィッド・エリス氏による挨拶の後、まず、セルビー氏が英国における公衆衛生について講演しました。同氏が率いる公衆衛生庁は、2013年に設立された保健省の独立執行機関です。公衆衛生の専門家や研究者など5,500人ものスタッフを擁し、公衆衛生機関や食品・水質・環境などの研究機関、公的ヘルスセンターなどと連携することで、英国内のみならず海外の公衆衛生対策にも取り組んでいます。昨年度より、ヘルス危機管理分野において日本政府とパートナーシップを組み、5月8日(月)には薬剤耐性(AMR)対策などでの協力を強化する旨の調印式も執り行われました。

 

講演する公衆衛生庁CEOのダンカン・セルビー氏

セルビー氏は、喫煙、高齢化といった広範囲にわたる共通の課題に対し、「日英の協力について具体的な意見交換ができたことが非常に有意義であった」と話しました。加えて、「公衆衛生庁の役割として、専門的な情報や知識を地方の公衆衛生チームや国民保健サービスに提供しています。さらに国際機関や学術・公共機関とも連携した活動も実施しています」と述べました。AMRに関しては、専門的な知識の普及だけでなくメディアを通じて広く市民社会に対しての啓蒙活動も実施していることを強調しました。

 

講演する前参議院議員でハーバード大学公衆衛生大学院リサーチ・フェローなどを務める武見敬三氏

続いて武見氏が登壇し、日本が戦略的に進める公衆衛生施策について話をしました。同氏は厚生労働副大臣を歴任し、政府間会議やサミットなどで「日本が国際保健分野で果たすべき役割や戦略についてのタスクフォースづくり」を行ってきました。同氏が中心に据えているのは、身の安全を個人レベルに縮小して守っていかなくてはならないとする「人間の安全保障」の概念です。講演でも「人間の安全保障を実現するには、第一に教育などにより個々人の能力を開発するヒューマン・エンパワーメントと、第二に環境やサービスの整備、すなわちヒューマン・プロテクションが必要となります」と話しました。

 

さらに武見氏は、内閣府、自民党内の委員会、世界保健と人間の安全保障執行委員会、非政府組織などによるタスクについて述べ、WHO(世界保健機関)やUNAIDS(国連合同エイズ計画)などの国際機関との連携についても言及しました。また、国際保健分野で深刻な事態が発生した際の国連、WHO、WB(世界銀行)、JICA(国際協力機構)などによる作業フローの枠組みについても説明しました。

 

最後は「目下、World Bank-Japan Joint UHC Initiativeのプロジェクトとして、ケニア、セネガル、ガーナ、シエラレオネ、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、アフガニスタン、ハイチ、スーダンの10か国をパイロットに、WHOやJICAなどと協同した感染症パンデミック対策、地域医療従事者の人材育成、適切な保健医療サービス拡充(UHC)のためのイノベーションなどを進めようとしているところです」と締めくくりました。

 

この後、質疑応答とネットワークレセプションが行われ、セミナーは盛況のうちに終了となりました。

 

サイエンスライター 西村 尚子

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