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英国のAI最前線:英国のAIが強い2つの理由~ケンブリッジ・コンサルタンツ社~

  • 09 August 2018
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英国には389社の人工知能(AI)企業が存在します。AI開発が盛んとして知られている米国には約1200社、欧州全体には879社のAI企業があり、このうちの389社が英国発です。実は欧州の都市の中でAI企業が一番多いのが英国のロンドンであることをみなさんはご存知でしたか?
※英国のベンチャーキャピタルMMC Ventures社が発表した英国のAIに関する最新レポートについてはこちらの記事をご覧ください

 

AI企業が多い欧州の都市ランキング

AI企業が最も多い欧州の都市ランキング
Source: Asgard VC
ケンブリッジ・コンサルタンツ社調査レポートより

 

 

英国大使館は昨年度、英国のAIの最新状況と日英コラボレーションの機会に関する調査を英国のテクノロジー・コンサルティング企業であるケンブリッジ・コンサルタンツ社に委託しました。同調査では、英国のAIエコシステムの発展と成功の裏には2つの要素があるとしています。

 

英国のAI研究が強い理由その1:資金

 

AI研究には資金と時間が必要です。機械学習やディープラーニングでは、膨大なデータの蓄積が必要で、それらを使って学習させるために有効なアルゴリズムを開発し、テストしなければなりません。一般的にベンチャー企業には、人や技術があっても、資金はなかなかありません。

 

英国のAIの強みは同分野への官民による資金提供にあります。AI分野の発展に向けられた資金に関して、英国は、米国と中国に次いで第3位にいます。また、英国のテクノロジー系のベンチャー企業は、2017年には約30億ポンド(約4500億円)の収益を得ており、このうちの4.9億ポンド(約585億円)はAI分野のベンチャー企業によるものでした。さらに、2018年4月に英国政府は、世界のテクノロジー企業と共同で、英国のAI開発に10億ポンド(約1500億円)を投資し支援することを発表しました。これにはMicrosoftやHewlett Packard Company、IBM、Pfizerなどの米国企業の出資も含まれています。

 

英国のAI研究が強い理由その2:人材

 

英国の大学ではAI分野における教育環境が整っており、最先端の研究を行っているため、世界的に有名なAI研究者を数多く輩出しています。なかでも、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)やケンブリッジ大学はAIでは有名です。「Journal of Machine Learning Research」という機械学習の論文誌においては、英国は米国に次いで2番目に多くの論文が発行されている国となります。英国には修士や博士号を取得した研究者が多いだけではなく、AIに必要な機械学習や数学、コンピュータサイエンスなどの幅広い分野における研究者が多いため、これからの新しいAIにも柔軟に対応できます。

 

「Journal of Machine Learning Research」において論文の発行が多い国ランキング

「Journal of Machine Learning Research」において論文の発行が多い国ランキング
ケンブリッジ・コンサルタンツ社調査レポートより

 

資金面でのサポートがあり、技術的に優れた人材や教育環境が揃っている英国のAIのエコシステムには、多くのグローバル企業が既に投資をしています。たとえば、2017年にはアマゾンがケンブリッジに「Alexa Development Centre」を設置しました。ここでは、同社のAIアシスタントである「Alexa」やドローンによる配達技術の開発が行われています。アマゾンは2010年以降、英国に対して6.4億ポンド(約935億円)を投資しており、この開発拠点の設置はその一部です。英国は今、世界のテクノロジー先進企業から注目を集めています。

 

英国のAIベンチャー企業と日本の大企業による協業に期待

 

英国のAI状況に関するレポート内容を話すケンブリッジ・コンサルタンツ社のジアフイ・ルー博士

ケンブリッジ・コンサルタンツ社
ジアフイ・ルー博士

英国の強みは大学やAIベンチャー企業にあり、日本の強みは大企業中心のモノづくりにあります。日本のモノづくり産業がAIを使って業界の問題を解決していくことができれば、より一層強くなるでしょう。AI分野における英国のベンチャー企業や大学と日本の大企業による協業の機会が今後たくさんありそうです。

 

 

 

国際技術ジャーナリスト 津田 建二

 


 

調査を実施したケンブリッジ・コンサルタンツ社のジアフイ・ルー博士は2018年9月上旬に来日し、駐日英国大使館主催の「英国 人工知能セミナー:ディープラーニングとロボット」にてご講演いただく予定です。調査内容についてより詳しくお話いただきますので、ご興味のある方はぜひ本セミナーにもご登録ください。
※応募多数の場合は、人数を調整させていただきますので、あらかじめご了承ください

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