MENU

INNOVATION IS GREAT
FacebookTwitterGoogleLinkedIn
Feed
英国進出、輸入や研究連携へのお問い合わせ
Mail

CONTENTS

HOME > BLOG > イノベーションと事業創出において英国の大学が担う役割

イノベーションと事業創出において英国の大学が担う役割

  • 28 July 2016
  • Feed

近年、大学は勉強だけではなく、創造力や応用力の育成、そして事業創出の機会を学生に提供する場所でもあります。英国におけるトップ5の大学が、どのように企業と連携しているか、また革新的な人材をどのように育成しているかをご紹介します。

 

英国における大学の制度は世界的に高く評価されています。世界のトップ10の大学のうち4校が英国にあり、研究論文に最も引用されている文献の16%が英国で発行されています。英国の研究と教育制度は、世界のイノベーションを次のような形でサポートしています。

 

  • 次世代企業家やイノベーターの育成
  • 革新的な中小企業の創出
  • 大学からの専門知識や研究施設の提供による中小企業を中心とした企業活動のサポート
  • 産学連携による企業の新市場参入への支援

 

起業家の育成
ヨーク大学 Director of Internationalisation ヒラリー・レイトン氏

ヨーク大学のDirector of Internationalisationであるヒラリー・レイトン氏は、「学生には、在学中に自分の事業を始めるように勧めている」と言います。起業コンテスト、インキュベーションスペース、相談会、卒業生間の深いネットワーク、グローバル企業との強固な関係のおかげで、同大学の学生は卒業する前にでも起業することができ、卒業後のキャリアの基盤も構築可能です。学生にとって事業が立ち上げやすい環境が整っていることがわかります。

 

 

英国における多くの大学は、学生に起業家精神を持たせることを目標としています。キングス・カレッジ・ロンドンでは、成功したスタートアップの社長による講演などに専攻を問わず学生を招待しています。このようなイベントは学生にとって、自分たちのアイディアをさらに発展させるきっかけとなります。

 

ノッティンガム大学の中国キャンパスでは、"Entrepreneurship Day"というイベントを年に1度開催しています。このイベントでは、有名な起業家、現役大学生や卒業生などが集まり、意見交換を行うとともに、ビジネス計画を評価するコンテストも開催され、学生は投資家や起業家などが含まれた審査員の前で自分たちのアイディアを発表します。

 

多くの大学生にとって、「実験」は最も重要です。大学が「学生に積極的に活用してほしい」と提供しているサービスはすべて無料。したがって、学生たちは費用などを考えずに実験に集中することができます。弁護士やファイナンスの専門家、コンサルタントが無償で起業に関する相談会を開き、大学のスタッフが実務をサポートします。学生はワークショップなどで事業計画の立て方を学んだ後、投資家にその計画を提案し、資金調達を行う運びになっています

 

ここで今までの成功事例をいくつかご紹介しましょう。ノッティンガム大学は毎年、"Undergraduate Ingenuity Prize – Asia Business Award"を授与しています。2015年には経営学専攻の学生たち3人が、中国人学生の英会話力を高めるためのオンライン言語育成プログラムを開発し、受賞しました。

 

ヨーク大学は"Plan ENVY"というビジネスコンテストを開催。参加者から寄せられたベンチャーアイディアを審査し、優勝者には賞金として2,000ポンドが贈られます。同大学のチャーリー・テュイリエは、ブラジル滞在時に健康的なスーパーフードを毎日食べていたことから、ヘルシーアイスクリーム"Oppo"を開発し、起業しました。スーパーフードを使った結果、アイスクリームの糖度は半分になり、カロリーはリンゴ1個よりも約2割低いとされています。

 

ジェニー・グリフィスはブリストル大学在学中、受賞歴のあるビジュアル検索アプリを開発しました。"Snap Fashion"と呼ばれるこのアプリを使えば、洋服などのファッションアイテムを撮影し、そのアイテムの色や生地、スタイルに似ているものをインターネット上で検索できます。在学中に生み出されたこのビジネスは現在、将来有望な企業に育ちつつあります。

 

テクノロジーにとどまらないイノベーション

日本と英国からの教育関係者が参加したセミナーの様子

近年、スタートアップの多くはテクノロジー分野から台頭することが多いですが、英国の大学では全学部の学生が起業家になるよう推奨されています。文系学生からの文化的相違と政治的障害についての見解、また人々の欲望や欲求に対する知識はとても価値があるものです。新たな技術を上品なデザインやシンプルな使用法と上手く組み合わせれば、優れた商品を作ることができます。英国の大学が提供しているインキュベーションスペースやスタートアップの相談窓口、学生起業機関などにはこのように幅広い専攻の学生が集まり、アイディアを生み出す場所になっているのです。

 

ブリストル大学は、アントレプレナーやイノベーターを育てるため、"Bristol Innovation Programme"の立ち上げを2015年に発表し、生徒の募集を始めました。同プログラムでは、学士と修士課程を統合したイノベーションの修士号を4年間で取得することができます。そして、学生は別にもう1つの専攻を選ぶことが可能です。人類学とイノベーションを組み合わせた文学修士や、電子工学とイノベーションの工学修士、心理学とイノベーションの理学修士などが一例です。このプログラムは2016年10月から始まり、学際的なチームワークやベンチャー創出、産業界による指導を通じ、学生をイノベーション創造に参画させるのです。

 

実験とイノベーションのための施設

King's College, University of Cambridge

英国には政府が資金を提供している"University Enterprise Zones(UEZs)"が4か所存在し、ノッティンガム大学はそのうちの1つの地域と連携しています。UEZsは、産学連携の強化に取り組み、専門的な知識の共有や協力を行う特定の地域。各UEZsは大学、地方自治体やビジネスリーダーとのパートナーシップにより構成されており、英国政府はUEZs内におけるインキュベーションスペースの設立や発展のために出資することで支援しています。

 

 

ノッティンガムのUEZでは、ビジネス用のインキュベーションスペースやテクノロジー・アントレプレナーシップ・センターの設置が予定されており、2019年までにはさらに50件の企業設立を目指しています。

 

企業との交流・研究から輩出されるスピンアウト

キングス・カレッジ・ロンドン Director of International Tayyeb Shah氏

キングス・カレッジ・ロンドンのDirector of InternationalであるTayyeb Shah氏は、「産学連携における障壁を取り除きたい」と語ります。大学と企業、両者にとって価値のある関係を構築するには、情報交換が必要不可欠です。インターンシップや共同研究、スピンアウトの設立など企業と大学の連携例は多く存在します。日本企業の東芝や三菱を含む様々な大手企業が、英国の大学に研究機関を擁しています。

 

 

大学と病院の連携も医療分野においては極めて重要です。キングス・カレッジ・ロンドンは、製薬会社や病院と密に連携し、研究や臨床試験を行っています。画期的な発見から生まれたスピンアウト"NuVision"は、ノッティンガム大学における眼科疾患の研究プロジェクトから始まりました。このプロジェクトをリードしているアンドリュー・ホプキンス博士は、"Omnigen™"という眼球の傷を治療できるバイオ包帯を開発。特許を取り、現在は商品として販売されています。

 

英国の大学は、イノベーションや学生の起業家精神をとても重要視しています。大学は、若い世代が自らのアイディアを実現することに対して大きな役割を担っているのです。学生によるプロジェクトの成功は、その学生自身のキャリア構築に良い結果をもたらすだけではなく、他の学生の雇用創出にも貢献します。そのスタートアップが長期的なビジネスにつながらなかったとしても、プロジェクトに関わった人たちにとっては貴重な経験となることでしょう。

 

教育への新しいアプローチ、キャンパス内のエンタープライズゾーン、企業との深い関係や研究から輩出されるスピンアウトへの支援提供により、英国の大学はイノベーション創出の中核を担っています。

 


 

英国への留学については、ブリティッシュ・カウンシル公式サイトをご覧ください。
英国大学とのパートナーシップについては、 こちらまでお問い合わせください。

MENU